北村國博法務行政書士事務所_離婚問題
離婚に伴う問題について

離婚に伴い様々な問題が立ち塞がります。その問題点を先送りせず、離婚前にきちんと「夫婦間の話合い」で決めることが基本です。話合いで決めた内容は、後日の紛争回避のために必ず、夫婦双方署名捺印した「離婚協議書」等の書面で残して置くことが賢明です。(口頭約束は有効ですが、証拠として不十分)
更に、書面取交時に行政書士等の法律家が証人として立会いし、署名捺印しておけば、より効果的です。捺印は認印でも良いですが、印鑑証明付きの実印であれば、本人であることの証明や真実性の担保に有効です。

子どもの養育費支払いは親の義務です。
養育義務は親の子どもに対する生活保持義務であり、養育費の額や支払い方法は、親の資力、学歴、社会的地位や生活水準に応じて、夫婦間の話合いで決めることが原則です。
養育費支払いは、親権の有無や同居の有無に関係なく、親子の身分関係から発生する義務です。夫婦間の協議が整わないときは、家庭裁判所に調停を申立てることになります。

養育費の対象は、未成熟子であり、身体的・精神的・経済的に成熟過程にあるために就労が期待できず、第三者による扶養を受ける必要があるとされています。
民法上、扶養を受ける子どもの年齢を規定しておらず、一般実務では個々のケースにおける親の資力・学力・家庭環境を考慮して、満18歳(高校卒業時)迄や大学卒業時迄、或いは成年に達するまで等と決めています。

養育費について 婚姻届の支払い義務 婚姻費用分担額の算定 離婚に伴う財産分与
養育費について

養育費は子どもを監護・教育するための必要経費のことです。
衣食住の経費・教育費・医療費・文化娯楽費・交通費等、子どもが自立するまでに要する全ての費用を言います。
父母が離婚しても子どもにとって、父であり母であることに変わりはありません。(判例)扶養義務者である親が扶養権利者である子について自己の生活レベルと同一の生活を保持すべき義務を負う。

離婚後においても子どもの父または母である元配偶者に養育費の分担を請求できます。
(父母の経済力・資力等に応じて分担義務が発生)

慰謝料の金額

養育費は過去の分も含めて請求できます。養育費請求権の時効はありません。

いつの時点からの養育費を請求できるか(請求の始期)については、審判例が分れています。
審判例1: 養育費を請求した時点から
審判例2: 扶養権利者の要扶養状態、扶養義務者の扶養可能状態(経済的余力)という事実があれば、具体的な扶養義務・請求権が発生する

家庭裁判所の判断基準では、父母双方の資産・収入・生活状態・子どもの年齢・数など一切の事情を考慮して、分担割合を決めます。

養育費の一般的な金額は、子ども1人の場合、月額2万円から4万円、2人の場合、月額4万円から6万円が多いとされています。
(参考)東京・大阪の裁判官らで構成する「東京・大阪養育費等研究会」に依る養育費算定方式が提案されています。
養育費の増額・減額・支払期間の延長について、離婚当時に予測出来なかった個人的・社会的事情の変化が生じたと認められる場合は、相手方との協議の中で請求できます。

養育費の請求権は放棄できません。(民法881条)
養育費は子どものための生活費であり、子どもは扶養権利者として、親に扶養を請求する権利があります。
扶養義務者である親が勝手に扶養請求権を放棄することは許されません。
あくまで、子どもの福祉と利益が優先的に配慮されます。
養育費の支払いは毎月払いが原則ですが、支払義務者に財政的基盤があれば、一括払いすることもできます。
子どもが途中で死亡した場合、残された養育費は子どもの相続財産になり、その子の相続人が取得します。

協議離婚後の養育費不払い対処策
協議離婚の際に養育費支払義務を公正証書に組み込んだ場合、強制執行により、相手方の給料債権を差押えることができます。
公正証書は公証役場で作成し、約束を守らなかった場合に強制執行しても構わないと言う文言(強制執行認諾条項)を記載しておくことで、裁判の判決と同じ効果が得られます。養育費支払確保のための効果的な手段です。
口頭又は上記以外の書面(離婚協議書・合意書等)で養育費の支払いを取決めた場合、地方裁判所に債務履行請求として訴訟する(給付請求の訴え)方法又は家庭裁判所に養育費支払いの申立をする方法により、養育費の支払義務を確定しなければなりません。
子どもの養育が著しく困難な経済状況にある場合、監護費用分担の審判又は扶養審判の申立を行い、審判前の保全処分の制度も利用できます。
(審判例)授業料に当たる扶養料仮払いの仮処分、養育費仮払いの仮処分を命じる審判等

家庭裁判所の調停は収入印紙・郵券のほか、比較的費用が安価で、弁護士を立てずに本人だけで手続するメリットがあります。
また、支払義務が確定すれば、支払確保について、強制執行・履行勧告・履行命令のいずれの手段も執れます。
改正民事執行法(平成16年4月1日施行)において、扶養義務に基づく定期金債権(養育費・婚姻費用等)についてのみ、一部でも不履行があれば、支払期限が到来していない将来債権についても一括して強制執行できるようになりました。給料等の差押えは、給料等の2分の1まで差押えが認められます。
強制執行しても完全な弁済を得ることが出来なかった場合等、養育費支払い義務者を家庭裁判所に呼び出し、義務者の財産について陳述させる制度(財産開示制度)が創設されました。

また、履行勧告は、家庭裁判所の調停調書や審判調書、判決書に養育費の支払いが記載されている場合、支払義務者が履行しないときに家庭裁判所において履行状況を調査の上、履行を勧告し支払いを督促する制度です。
この勧告には強制力はありませんが、国家機関による督促ゆえに、効果的です。

養育費は面接交渉とは全く別のものですが、別れている親と子の面接交流がうまくいっている方が養育費の支払履行が高くなっているという統計があります。

再婚により子どもの養育費負担の問題が発生することがあります。
再婚相手と連れ子との養子縁組の有無に関係なく、実親の養育費の負担額は再婚後の家庭の状況、扶養義務者の社会的地位、経済的余力等の諸般の事情を考慮して再検討される場合があります。

TOPに戻る
養育費について

婚姻期間中は、その家庭の資産・収入・家事労働・社会的地位等一切の事情を考慮して、通常の社会生活を維持するための費用(婚姻費用)を夫婦がお互いに分担する義務があります。(民法760条)
別居しても婚姻関係は継続していますので、一方の配偶者は相手配偶者に婚姻費用の分担を請求できます。

婚姻費用の額や支払方法は、夫婦の話合い(協議)で決めるのが基本です。
協議できない場合は、相手配偶者の住所地を管轄する家庭裁判所に婚姻費用分担の調停申立を行うことができます。

TOPへ戻る
養育費について

前述した養育費と同様に、「東京・大阪養育費等研究会」により簡易算定方式が提案されています。(参考程度の目安として活用)
(例)二人の子どもの年齢が15歳と19歳、夫の年収が500万円(税込)、妻の年収が300万円(税込)の場合、夫が妻に支払う婚姻費用は、月額6万円から8万円相当になります。
但し、別居後に夫が妻と子どもが居住するマンションのローンを月々支払いしている事実があれば、夫が負担すべき婚姻費用から、この住居費に相当する金額が控除されます。
また、婚姻費用の支払確保の手段も養育費の場合と同様に、法的な措置により、強制執行等が可能です。

TOPへ戻る